フランク・コーネリッセン

Frank Cornelissen(フランク・コーネリッセン)
Rosso del Contadino 1 (ロッソ・デル・コンタディーノ)

Mia Gioiaさんで。
 ・上級キュべのマグマや、モンジベッロに使用されなかったネレッロ・マスカレーゼと一緒に、畑にある様々な品種を赤白問わず使用し、まとめて一緒に「屋外」で発酵をおこなったという、かなりクレイジーなつくり。

フランク・コーネリッセン氏のコメント
2002年頃から、ぼんやりとこんなワインを造ってみたい、と思ってはいたものの、ロッソ デル コンタディーノというアイデアが、はじめから存在していたわけではなかった。何か“レモネード”のような、飲みやすく、かつ全くナンセンスなわけでもなく、科学的なものを一切加えない、つまり頭痛などを引き起こさない、そんなワイン…。2003年に私は、パートナーの佐野洋子とふたりで、それまでの2年間私1人でまかなってきた農業活動を、一緒にやっていこうと決めた。エトナ山の麓に完全に居を移したわたしたちには、その年のブドウの出来も例年よりも早めの成長によって、素晴らしいものになるかのように思われた。が、しかし自然はわたしたちに、またしても大きな試練を課した。9月22日から雨が降り始め、冬の間までほぼ毎日降り続いたのだ。わたしたちは腐敗果を切り落とし続け、当初予定されていた収量のわずか2割程度のブドウのみを収穫した。その収穫されたブドウさえも、大半はマグマやモンジベッロのレベルに到底及ばず、最終的にさらに半分以下の量まで選定し直し、残りの"格落ち"したほうのブドウを使ってもう1つ別のワインを造ってみることにした。私はプラスチック製の醗酵槽を買い、マグマやモンジベッロに悪影響を与えないよう、セラーの裏の、ブドウ畑のある屋外に置いた。その時の自分の気分によって、また刻々と変化する自然のおもむくままに、時により機械で、時により徐梗せずに房ごと足で破砕し、醗酵槽に放り込んだ。こうして、マグマとモンジベッロに使われるはずだったブドウの大半が、それまでは切り落として自然のコンポストとしていたか、畑仕事の合い間につまみ食いされていただけの、ネレッロに混じって植えられていたブドウたちと一緒に醸造されることとなった。結局、ロッソ デル コンタディーノは、屋外で、雨風や雪にさらされながらも(簡単な蓋だけをした状態で)特に醸造上の問題もなく、シンプルに美味しいワインに仕上がった。あらゆるブドウを使用していて、ネレッロ マスカレーゼ、サンジョベーゼ、ミネッラ ネーラという食用のブドウ、そのほかカリカンテ、ミネッラ ビアンカ、カタラット、グレカニコ ドラート種などの白ブドウを混醸。一部のブドウには貴腐菌もついており、ワインに鋭さを与えている。45日間続いた醗酵の後は、そのまま翌年の1月中旬-背後に迫るエトナ山の頂に雪の積もる頃-まで置き、冬の青空の下で圧搾を行った。今後は、平均的な年の場合には、この特殊な容器でさらに5〜6ヶ月熟成させた後ボトリングする予定だが、このヴィンテージに限り2005年の2月27日にボトリングするまでアンフォラで熟成させた。余談だが、私と洋子はあまりにもこのワインが気に入ったので、個人的に沢山のボトルをキープしている。とはいえ本音をいわせてもらえば、二度と再び、マグマやモンジベッロ用のブドウを失ってまで、このワインを造りたいとは思わない。
ブルゴーニュタイプの750ml入りボトルで1380本生産