ドニ・モルテ

エノテカ大阪店バーコーナーにて。
ラヴォ・サン・ジャックは50ミリリットルで2100円だったので恐れをなし、一杯850円の別のアイテムを頼んだところ、なんとソムリエの方が間違ってラヴォ・サン・ジャックを注いでくれたのでした。

はじめ、ソムリエの方も注ぎ間違いに気付かず、私が一口飲んで衝撃を受けて「こ、これ、美味し過ぎます・・・」と涙目で「ボトル、見せてください」と頼んではじめて、ご自分の勘違いに気付かれた模様。先方の手違いということで、なんと、一杯850円で飲めてしまった…。

それにしても、衝撃的。体中に快感が走るとは、このことでしょうか。50mlの液体が、ここまでの喜びを生むとは…。「過熟気味で難しかった2003年」なんて知識はどーでもよくなりました。

Domaine Denis Mortet
ジュヴレ・シャンヴェルタン 1erクリュ ラヴォ・サン・ジャック 2003

一つ一つ名前を挙げられないほどの果実たわわな 圧倒的なボリューム感。。。
耽溺。。。

Domaine Denis Mortet
マルサネ レ・ロンジュロワ 2003

青いハーブの香りも若干…。
赤や黒の果実のボリューム感もすばらしい。

<ラック・コーポレーションWEBより>

その優美なワインで、注目を集めているドメーヌの主、ドニは、1970年代半ば、父シャルルの元で働き始め、1990年代初頭、父の引退に伴い跡を継いだ。40代になるドニが目指し、11ヘクタール強のドメーヌから生み出しているのは、リリースされた後すぐにでも愉しめるものの、十分な熟成も可能、というフレキシビリティに富んだワイン。
今日、畑へ還れという言葉はすこしも珍しくないが、ドメーヌでは以前からテロワールを重視し、父シャルルの時代から化学肥料等には目も呉れず、一貫して有機栽培を行ってきた。そのようにして育てられたぶどうはしっかり収量を抑制し、必要とあればヴァンダンジュ・ヴェールトも行う。そしてこのドメーヌの特徴的な点のひとつとして早い時期の収穫が挙げられる。当然年毎のぶどうの出来によって異なりはするが、ドニは過熟を好まず、十分な酸があるうちに収穫を行う。2003年は例外としても、2002年においてさえシャンボルのプルミエ・クリュ、オー・ボー・ブランはヴァン・ド・ヴァンダンジュの2日前に収穫を行っている――事前に早期収穫の申請をし、認可をもらう――。
醸造の面で徹底しているのは100パーセント除梗を行うこと。ワインに苦味、青臭さが付くことを避け、絶対に果梗は用いない。使用する果汁はフリー・ランのみで、プレス・ジュースはネゴシアンへ売却。そしてなるべく長期にわたる発酵をこころがけ、ピジャージュは頻繁に行い、日に2〜3回。あてがう新樽の割合もドメーヌの大きな特質のひとつで、ヴィラージュ以上は全て新樽での熟成となる。とはいえ、出来あがるワインは樽臭さ等、微塵も感じさせない優美なものだが、この樽の使い方にドニの並々ならぬ力量が窺える。1年半前後の樽熟の後、瓶詰めとなるが、グラン・クリュのシャンべルタンとクロ・ヴージョは樽から直接手詰めしている。
しっかりした構成でありながら、まるみがあり、シルキーでアロマティックなワインは、各テロワールの相違をよく反映していて、殊にドメーヌの最も得意とするジュヴレの異なるクリュの数々はその多様さに驚かされるが、なかでもモノポールのアン・モトロはヴィラージュながら、プルミエ・クリュにも匹敵する深みを感じさせてくれる。そして、手に入れるにはかなり難儀するが、なんといってもシャンべルタン、クロ・ヴージョの両グラン・クリュは、各構成要素の密度、スケールの大きさ等、どれをとっても別格としかいいようのない素晴らしいもの。