春風亭昇太独演会「オレスタイルvol.1」

2004年3月19日(金)19:00開演(21:15終演)、HEP HALL、前売2,500円

ABCの落語会で「宴会の花道」を聴いて以来、も一回、昇太体験がしたいと思い続けて、はや数年経過。東京での人気を聞いていたのでどんなに混雑しているか恐れながら開演直前にホールに入ると、まだまだ空席があって、拍子抜け。かくも落語界の東西事情は異なるのだなぁー。
まずは普段着で登場して、「ラスト・サムライ」を見に来ているカップルの会話(終わった後、「死にてー!」と感極まる男、女「何だか良く分からなかったんだけど、掛け声が良かった」に「良かったよねー」と同調する男)等を30分ほどおしゃべり。このウォーミングアップで、場内、かなりくつろぎました。
一端引っ込んで着替えている間「花嫁」がかかり、出囃子のCDを忘れてと言って、洋楽で再登場。オレンジのフレームの眼鏡に、オレンジ色の着物で、まずは古典「つぼ算」。
ゲストの都丸は、うーん、酔っ払いが可愛くない!ほんとにイヤな奴なんだもん、ちょっとしんどかった。「時うどん」とか、こういう畳み掛けるような噺は、登場人物に愛らしさがないと、聴いてるのがツライ。師匠のざこばに似た、同じ台詞を繰り返す芸風が、うまく作用してなかった。
ちょっと長い中入の後、今度は新作で「人生が二度あれば」。水色の着物も似合っている。松ぼっくりを齧ってタイムスリップする老人の話。頭の弱そうな「松の精」、笑った。老人が走ってるところ、子供に戻って意味もなく棒っきれを振り回して雑草をなぎ倒しながらはしゃぐところ、中腰になってむちゃくちゃしてるとき、特にすごいパワー。
落語のことを「ぼんやりした人が出てきて、ぼんやりした状態になって、ぼんやりしたまま、ぼんやり終わる」と説明していた。この独演会も、何となくぼんやりした感じで、「すっごい良かった!!」と思わず飲みに繰り出すような感想はないけれど、こんな調子でぼんやり続けていってほしいです。